臨床神経学
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原著
無動性無言状態にいたったプリオン病患者の臨床経過と治療に関する検討
岩崎 靖森 恵子伊藤 益美
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2012 年 52 巻 5 号 p. 314-319

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抄録

無動性無言状態にいたったプリオン病患者の臨床経過と治療について自験12例をもちいて後方視的検討をおこなった.無動性無言状態における当院での入院期間はのべ3,968日で,全例で経鼻カテーテルによる経管栄養を施行し,胃瘻造設術や気管切開術を施行した症例はなかった.気管内挿管や人工呼吸器接続,昇圧剤投与はおこなわれなかった.気道感染などの合併症には抗生剤投与や持続点滴をふくめた対症療法を適宜おこなっていた.本邦のプリオン病患者は欧米例に比し生存期間が長いといわれるが,経管栄養や対症療法,一般的におこなわれている看護や介護,リハビリテーションにより長期延命していることが示唆された.

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© 2012 日本神経学会
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