臨床神経学
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短報
ドパミン作動薬誘発性開顎ジストニアを合併した進行性核上性麻痺の1例
田野 大人金子 仁彦菊池 昭夫長谷川 隆文武田 篤青木 正志
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2013 年 53 巻 4 号 p. 308-311

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抄録

症例は74歳男性である.61歳時に動作緩慢で発症,認知機能障害,垂直性核上性眼球運動障害,仮性球麻痺,パーキンソニズムをみとめ,精査の結果進行性核上性麻痺と診断した.ドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与による開顎ジストニアをみとめたが,ドパミン作動薬の漸減・中止により開顎ジストニアは軽快した.進行性核上性麻痺症例の中にはドパミン作動薬が有効な例もあるが,本例のようにドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与が各種ジストニアの原因となることがあり注意が必要である.

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© 2013 日本神経学会
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