臨床神経学
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症例報告
慢性結核性髄膜炎による再発性脳幹梗塞を発症した44歳女性例
大本 周作吉岡 雅之崎元 芳大吉川 晃司橋本 昌也鈴木 正彦
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2014 年 54 巻 3 号 p. 212-217

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抄録

症例は44歳女性である.40歳頃に一過性右上下肢脱力の既往がある.41歳時より易怒性が出現した.42歳時に眼球運動障害,構音障害,退行をみとめ入院.MRIで中脳左傍正中部に急性期梗塞巣および脚間窩に結節性病変をみとめ保存的加療をおこない退院した.44歳時に右片麻痺が出現.MRIで左橋に急性期梗塞巣,大脳および脳幹萎縮の進行,橋腹側髄膜異常造影効果および脚間窩の結節性病変をみとめた.頸部リンパ節生検で結核性リンパ節炎の所見を確認し慢性結核性髄膜炎とそれによる脳幹梗塞と診断した.抗結核薬を開始し脳幹病変の改善をみとめ以後再発はみられなかった.髄膜炎の症候をともなわず慢性の経過で脳萎縮,脳幹梗塞にいたった症例はまれであり報告した.

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© 2014 日本神経学会
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