2013 年 50 巻 4 号 p. 502-505
日本学術会議の「老化専門委員会」では,10年以上前から全国の大学医学部内での老年医学の学部教育は十分ではないことは指摘しているが,最近になっても大きな改善はない.今回,学部教育の実態と今後の方向性について,医学部学生を対象としたアンケート調査を行い,医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度版:文部科学省高等教育局)と医師国家試験出題基準(平成25年版;厚生労働省医政局医事課)の内容を検討し,それぞれに考察を加えた.モデル・コア・カリキュラムと医師国家試験出題基準は,学部教育の内容に大きく影響を与える因子であり,これらの基準等を通じて学部教育の中で老年医学の重要性を強調する必要があると考える.