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日本版NIH創設に向けた新しい指標の開発(2) テクノロジー別にみた医薬品開発の現状俯瞰・将来予測
長部 喜幸治部 眞里
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2013 年 56 巻 9 号 p. 611-621

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著者抄録

日本版NIHや製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。今回は,今後の成長が期待されるバイオ医薬品に着目し,各テクノロジーの観点から各国の長所・短所を分析した。その結果,バイオ医薬品の研究開発における米国の優位性が改めて認識された。また,日本の研究開発においても,一部の分野で期待が持てることを示した。

1. はじめに

前回において,各製薬企業が有する研究開発パイプラインに着目することで,各国の現在及び将来における新薬創出力が把握できることを示した。その結果,米国の優位性,日本の特異性などが明らかになった(詳細は前回10月号の論文を参照のこと)。特に日本は低分子医薬品に重点がおかれているのに対し,欧州諸国での研究開発は,バイオ医薬品へとシフトしていることが見られた。そこで今回は,今後の成長が期待されるバイオ医薬品に着目し,各テクノロジーの観点から医薬品開発の現状俯瞰・将来予測を試みた。

なお本稿は,著者の私見であり,著者が所属する機関の意見・見解を表明するものではない点にご留意願いたい。

2. バイオ医薬品とは

まず,バイオ医薬品について簡単に紹介したい。バイオ医薬品とは,DNA組換え技術,細胞大量培養法などの技術(バイオテクノロジー)を用いることで製造される医薬品のことである。ワクチン,抗体医薬,遺伝子治療,細胞治療などがバイオ医薬品に含まれ,低分子医薬品に比して,分子量が大きくかつ複雑な構造を有するのが特徴である注1)。また,従来の医薬品では満足できる治療効果の得られない疾患に対する創薬が期待でき,米国市場などをはじめ各国市場において,バイオ医薬品の売り上げ比率は今後大きく拡大することが期待されている(11)。

図1 世界の大型医薬品50品目の推移
表1 世界の大型医薬品50品目(バイオ医薬品と低分子医薬品の比率)
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
バイオ医薬品比率
低分子医薬品比率
15.6%
84.4%
20.5%
79.5%
25.2%
74.8%
27.9%
72.1%
28.6%
71.4%
31.6%
68.4%
34.0%
66.0%

出典:厚生労働省 “医薬品産業ビジョン2013”を基に作成 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shinkou/vision_2013.html

また,低分子医薬品は,製造が比較的簡単であることから,途上国等の参入が容易であるのに対し,バイオ医薬品は構造が複雑なことや,製造にあたり細胞大量培養技術や精製技術などのさまざまな技術・ノウハウが必要なために,途上国の参入障壁が比較的高い。途上国との差別化を図るためにも,次世代医薬品たるバイオ医薬品の新薬開発は,先進国にとって重要な課題といえる。日本版NIHの役割としても,バイオ医薬品開発の検討は重要な事項であり,各テクノロジーの観点からバイオ医薬品開発の現状俯瞰・将来予測をすることで,日本の課題がみえてくると考えられる。

前回,われわれはバイオ医薬品について,各国の医薬品数・パイプライン数を示し,米国が「市販」数や他の開発段階におけるパイプライン数において他国を圧倒していることを示した(2(前報の図9再掲))。今回は,バイオ医薬品について,利用するテクノロジー別に分けることで,詳細な分析を試みる。

図2 各国の医薬品数・パイプライン数(バイオ医薬品)

3. バイオ医薬品の分類及び進展

バイオ医薬品の分類に世界的な基準や定義はなく,研究者によっても解釈に幅があるのが現状だが,本稿では,Evaluate社のデータベースEvaluatePharmaに定義された分類を用いる。以下に分類とその概要を示す。なお,各分類の詳細な定義については文末の注釈(本文の注)を参照されたい注2)

(1) 組換えタンパク質(Recombinant product)

遺伝子操作によって動物細胞等のDNAの一部に目的とする遺伝子を導入し,治療に必要な目的物質を生合成させて製造した製剤のこと。

(2) 遺伝子組換えワクチン(Bioengineered vaccine)

バイオテクノロジー技術によって,副作用などを除外したワクチン製剤。インフルエンザなどの感染体に対するワクチン製剤に加え,がんを対象としたワクチン製剤も含む。

(3) モノクローナル抗体(Monoclonal antibody)

体内に侵入してきた細菌・ウイルスなどを特異的に認識し体外に排除する機能を有する「抗体」を有効成分とする製剤。細菌・ウイルスなどのターゲットに対する免疫反応を刺激することなどにより薬効を発揮する。また,抗体のフラグメントを有効成分とするものも含まれる。

(4) 細胞治療(Cell therapy)

細胞を患部に導入することにより病気を治療する方法。骨髄移植,皮膚移植,及び感染病の治療のための特定の白血球群の使用など。

(5) 複合モノクローナル抗体(Monoclonal antibody (Conjugated))

モノクローナル抗体と,化学療法薬,放射性粒子,または毒素(細胞に害を与える物質)とが結合した製剤。モノクローナル抗体は,それら物質を身体の特定部位(例えば腫瘍部位など)へと運ぶ運搬体として使用される。

(6) DNA及びRNA治療(DNA & RNA therapeutics)

DNA,RNA,またはその類似体などを有効成分とする製剤。この分類には,アンチセンス薬,マイクロRNA(miRNA)及びスモールRNA干渉(siRNA)薬,アプタマー薬などが含まれる。

(7) 遺伝子治療(Gene therapy)

機能欠損または機能不全の遺伝子を,正常な遺伝子に置換等することにより,病気を治療する製剤。

上記バイオ医薬品の歴史と照らし合わせると,第1世代には(1)組換えタンパク質及び(2)遺伝子組換えワクチンが,第2世代には(3)モノクローナル抗体が,第3世代またはそれ以降には(4)細胞治療,(5)複合モノクローナル抗体,(6)DNA及びRNA治療,及び(7)遺伝子治療が該当する。

バイオ医薬品は,バイオテクノロジーが発展してきた1980年代に実現が可能となった医薬品分野であり,米国のEli Lilly and Companyが大腸菌や酵母に「ヒトのInsulin(インスリン)遺伝子」を導入することでヒト型のInsulinを大量生産することに成功し,1982年に「世界初のバイオ医薬品」としてInsulin製剤の販売を開始した注3)。1990年代に入ると,Insulinと同様の手法により,他のバイオ医薬品も次第に上市されていった。2000年を迎えるころには,第2世代のバイオ医薬品として,「抗体医薬品」が登場した。現在は,第3世代のバイオ医薬品開発も進んでいる。

このバイオ医薬品の発展は,「市販」数によく表れている。

3は,フランス,ドイツ,日本,韓国,スイス,英国,及び米国のバイオ医薬品の「市販」数を合計し,上記バイオ医薬品の分類ごとに整理したものである。3を見ると,第1世代の市販数が最も多く,第2世代,第3世代になるにつれ市販数が減っている。一般的に,早く実用化に至った分野がより多くの市販品を世に出し得ることから,第1世代,第2世代,第3世代の順に実用化に至っていると推測される。すなわち,第1世代の(1)組換えタンパク質,及び(2)遺伝子組換えワクチンが最も多く注4),次に,第2世代の(3)モノクローナル抗体が続いている。モノクローナル抗体は市販されているとはいえ,全体で約100の医薬品が市販に至った程度である。そして,第3世代以降のものは未だ「市販」数が少なく,第3世代以降に使用されているバイオテクノロジーは,医薬品分野での実用化が今まさに行われつつあることがわかる。

次章から世代ごとに各国の開発状況を分析する。

図3 各種バイオ医薬品の市販数

4. 第1世代の分析

まず,第1世代について見てみたい。4に,(1)組換えタンパク質の医薬品数・パイプライン数を示した(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)。

図4 医薬品数・パイプライン数(組換えタンパク質)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)

米国は,他国に比して,「市販」数もパイプライン数も圧倒的に多い。米国は現在及び将来においても,新薬創出力の優位性を維持するといえる。

一方,日本は,「市販」数では米国に次いで第2位であるが,パイプライン数は他国と同程度またはそれ以下となっている。特に「非臨床試験」数は4にあげた国の中で最も少ない。また,低分子医薬品と同様に,「フェーズ2」などの治験の方が「非臨床試験」より多いことから,同分野の将来性は危ういと予想される(パイプライン数からの将来性予測については,前報の「3. 低分子化合物医薬品の分析」を参照されたい)。

また,韓国の「非臨床試験」が米国に次いで大きいことから,韓国では「組換えタンパク質」において新薬創出が期待できると考えられる。

次に,5に,(2)遺伝子組換えワクチンの医薬品数・パイプライン数を示した(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)。

遺伝子組換えワクチンの「市販」数において,フランスが米国と同数であることは注目すべきことである。さらにフランスは,前報で述べたように,研究開発の次の段階に移行するにつれパイプライン数が減少するというパターンとも異なる。

図5 医薬品数・パイプライン数(遺伝子組換えワクチン)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)

ワクチン普及のために,ヨーロッパ医薬品庁(EMA)は安全性や有効性に関するデータ提出を簡略化する方針1)を示しており,フランスは政策的にその方針の影響を受けていると考えられる。

フランス以外の欧州各国においても他のテクノロジー分野とは違ったパターンを示している。例えば,ドイツの「市販」数は極端に少なく,英国やスイスも他分野(例えば,組換えタンパク質)に比して,日本や韓国と同程度またはそれ以上の医薬品数・パイプライン数となっている。

また,(2)遺伝子組換えワクチンは,大きく2つに分けられる。公衆衛生上,安全な飲料水の供給に次いで人間の死亡率を大きく減少させ,個人に投与しながらも集団を防衛することができるような疾患に対するものと,肝炎やがん等特定の疾患に対するものである。日本は,肝炎やがん等特定の疾患に対する(2)遺伝子組換えワクチンのパイプライン数が多い(6)。

図6 遺伝子組換えワクチンの医薬品数・パイプライン数(疾患別)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)

5. 第2世代の分析

次に,第2世代について見てみたい。7に,(3)モノクローナル抗体の医薬品数・パイプライン数を示した(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)。

図7 医薬品数・パイプライン数(モノクローナル抗体)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)

第1世代の2つの分類のバイオ医薬品と同様に,米国は「市販」数及びパイプライン数ともに他国を圧倒している。この分野においても,米国は将来の優位性を維持するものといえる。

一方,(1)組換えタンパク質及び(2)遺伝子組換えワクチンにおける現状と比較すればという条件付きではあるものの,日本は,(3)モノクローナル抗体の分野では比較的健闘しているといえるのではないか。「非臨床試験」数も米国を除く他国と同程度であるし,治験数もさほど見劣りはしない。

世界初の抗体医薬品は,米国Genentech社が開発した「Trastuzumab(トラスツズマブ)」であり,2001年の承認であったのに対し,日本初の抗体医薬品は,中外製薬と大阪大学が共同開発した「Tocilizumab(トシリズマブ)」であり2005年の承認である。抗体技術の医薬品への実用化という観点では数年程度の差である。また,日本には,協和発酵キリンのPotelligent注5)や中外製薬のSMART-Ig注6)などの革新的抗体改変技術を有する企業も存在し,ある程度の期待を持てる分野といえる。

6. 第3世代以降の分析

最後に,第3世代以降の分野((4)細胞治療,(5)複合モノクローナル抗体,(6)DNA及びRNA治療,及び(7)遺伝子治療)の医薬品数・パイプライン数を見てみたい(811)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)。

これらの分野に関しては,パイプライン数が少ないため現時点で分析を行うのは困難であるが,そのような状況でも,各分野における米国の優位性は際立っている。米国は第1世代から始まり,バイオ医薬品のあらゆる分野において新薬創出力を有し,また将来においてもその優位性を維持するといえる。

図8 医薬品数・パイプライン数(細胞治療)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)
図9 医薬品数・パイプライン数(複合モノクローナル抗体)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)
図10 医薬品数・パイプライン数(DNA及びRNA治療)(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)
図11 医薬品数・パイプライン数(遺伝子治療)

一方,米国を除く他国と日本とを比較すると,細胞治療において日本の「非臨床試験」数が群を抜いている(8)。当分野は,2006年に京都大学の山中伸弥教授らにより世界に先駆けて報告された人工多能性幹細胞の研究2)などがあり,日本の基礎研究はトップクラスにあるといえる。12は,PATSTAT注7)に基づく細胞治療の分野における出願人国籍別の特許出願数を示している。ここで,特許出願数とは特許ファミリー数であり,出願人国籍が複数国にまたがる場合は,それぞれの国籍をカウントしている。13は,細胞治療と密接に関連する技術分野である幹細胞関連技術における,国別論文数を示している。なお,米国以外は第2軸を使用している。

図12 細胞治療の分野における出願人国籍別特許出願数(米国のデータの一部がグラフ枠外に出ていることに留意されたい)
図13 幹細胞関連技術における国別論文数

日本の特許出願数は,米国には及ばないものの,ドイツに次ぎ世界第3位の地位を保持している。1991年から2001年の特許出願数に比べ,2002年から2012年の特許出願数の伸び率は米国,ドイツよりも大きい。論文数をみると,2006年までは米国に次いで多かったが,2007年には中国に,2009年にはドイツに抜かれている。この分野は山中伸弥教授が2012年に「成熟細胞が初期化され,多能性を獲得しうる現象の発見」でノーベル医学生理学賞を受賞し,日本が先駆的立場にいるにもかかわらず,中国やドイツの伸びに鑑みると,さらなる支援が必要と考えられる。

さらに,「市販」数において,日本は米国のみならず韓国にも後れをとっている(8)。特に,韓国は「非臨床試験」数は少ないものの,特許出願数の伸び率(12),論文数(13)も2012年にはフランスに次ぎ世界第7位まで上昇していることを鑑みると,基礎研究が今後ますます発展する可能性がある。さらに,韓国には,再生医療製品を対象とした市販後臨床試験実施条件付き品目許可制度があり,再生医療の実用化の促進が行われている3)8における「市販」数が日本よりも多い点は,上記のような韓国政府の政策的誘導によるものと考えられる。

細胞治療分野における日本の研究開発の初期段階における優位性も危なくなりつつある昨今,韓国の例のように,研究開発の促進や薬事規制の改正も含め,この優位性を実用化の段階まで維持するための方策を検討することが,日本版NIHの実施にあたっての課題の1つではないだろうか。

また,9を見ると,(5)複合モノクローナル抗体については,パイプラインを数多く有している国は米国以外にはなく,各国とも研究開発を始めて間もない状態にあるといえる。これは日本にとって1つの好機といえる。

なぜなら,(5)複合モノクローナル抗体は,(3)モノクローナル抗体と,化学療法薬,放射性粒子,または毒素とが結合した製剤である。前報で述べたように,化学療法薬(すなわち低分子医薬品)は,将来に不安はあるものの現時点では日本が優位性を有している分野であり,また,モノクローナル抗体も上記のとおり,日本には優れた技術が存在するからである。

低分子医薬品及びモノクローナル抗体の両者において不安要素はあるものの,(5)複合モノクローナル抗体の分野は,日本の技術力を生かすことができ,かつ他国(米国を除く)が未だ進出していない,数少ない分野といえる。

したがって,日本版NIHが中心となり,大手製薬企業が有する低分子医薬品に関する技術,及び中堅製薬企業が有するモノクローナル抗体の革新的技術を合わせることで,当分野において日本の優位性を獲得する可能性がある。

このように,日本に散在する優れた技術を見いだし,それらを融合することで新たな付加価値を創造し,その際には知的財産権の調整なども行うといった医療分野の総合的な研究開発マネージメントを行うことも日本版NIHの課題の1つではないだろうか。

7. おわりに

今回,われわれは,今後の成長が期待されるバイオ医薬品に着目し,各テクノロジーの観点から医薬品開発の現状俯瞰・将来予測を試みた。その結果,以下の事項を示した。

  • •   米国はバイオ医薬品のあらゆる分野において新薬創出力を有し,また将来においてもその優位性を維持する。
  • •   第1世代の組換えタンパク質において,低分子医薬品と同様に,日本の将来性は危ういと予想される。
  • •   第1世代の遺伝子組換えワクチンにおいて,欧州各国は他のテクノロジー分野とは違った動向を示している。
  • •   第2世代のモノクローナル抗体において,日本は比較的健闘しているといえる。
  • •   第3世代以降において,細胞治療において日本のある程度の優位性が垣間見られる。日本は,「非臨床試験」数,特許出願数,及び論文数などの数は多く,基礎研究はトップクラスにあるといえる。一方で,「市販」数において,日本は米国のみならず韓国にも後れをとっている。
  • •   複合モノクローナル抗体の研究開発は日本にとって1つの好機といえるのではないか。

謝辞

なお,本研究の一部は独立行政法人科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)「科学技術イノベーション政策のための科学」(プログラム総括:森田朗・学習院大学法学部教授)における研究課題「未来産業創造にむかうイノベーション戦略の研究」(山口栄一・同志社大学大学院総合政策科学研究科教授,研究期間:平成23~26年度)の支援を受けて行われたものである。

本文の注
注1)  例えば,代表的な低分子医薬品のAspirinは,21原子からなり180の分子量を有するのに対し,バイオ医薬品の代表例であるHerceptinは,約20,000原子からなり約148,000の分子量を有する。

注2)  Evaluate社のデータベースEvaluatePharmaにおける,バイオ医薬品の定義は以下のとおり。

(1) Recombinant product

Proteins prepared by recombinant DNA technology, which is a series of procedures used to join together (recombine) DNA segments from 2 or more different DNA molecules. These recombinant DNA molecules are inserted into the chromosomes of cells where they are translated into proteins.

(2) Bioengineered vaccine

The use of biotechnology to modify the components of conventional vaccines (e. g. attenuated viruses) or to synthetically engineer new vaccine components, often to remove potential side - effects of using 'real' micro - organisms/molecules. In addition to vaccines against infectious agents, this category includes cancer vaccines.

(3) Monoclonal antibody

An antibody that is mass produced in the laboratory from a single clone and that recognises only one antigen. Monoclonal antibodies are typically made by fusing a normally short-lived, antibody - producing B cell to a fast-growing cell, such as a cancer cell. The resulting hybrid cell multiplies rapidly, creating a clone that produces large quantities of the antibody which is highly specific for its antigen target. Monoclonal antibodies which are naked, i.e. have no other molecule attached, are used to either stimulate an immune response against the target or block the function of the target. Also includes Monoclonal antibody fragments, such as the binding areas of the antibody. Does not include polyclonal antibodies, which are classified as Protein extract.

(4) Cell therapy

The use of cells to treat disease. Cells are introduced into a tissue or organ that is damaged or diseased. These cells then regenerate the damaged tissue around them or generate new cells to replace those lost or damaged. Examples include blood transfusion, bone marrow transplantation, skin grafting and the use of specific white blood cell populations to treat infectious disease.

(5) Monoclonal antibody (Conjugated)

Conjugated monoclonal antibodies are monoclonal antibodies joined to a chemotherapy drug, radioactive particle, or a toxin (a substance that poisons cells), and used as delivery vehicles for these substances, delivering them to a specific part of the body, e. g. a tumour, where they are needed most.

(6) DNA & RNA therapeutics

The therapeutic use of DNA, RNA or oligonucleotide analogues to treat disease. This category includes all the below drugs:

•Antisense drugs - small, chemically modified strands of DNA that block mRNA translation preventing the synthesis of unwanted proteins.

•microRNA (miRNA) and small interfering RNA (siRNA) drugs - small nucleic acid molecules that affect gene experession by binding to mRNA.

•Aptamer drugs - nucleic acid molecules that interfere with cell signalling by binding to target molecules.

(7) Gene therapy

The treatment of disease by replacing, manipulating, or supplementing non-functional or misfunctioning genes with healthy genes. Therapeutic genes are usually delivered to the patient through a weakened virus that transports the genes into the nuclei of blood cells.

注3)  なお,低分子医薬品における世界初の合成医薬品はAspirin(アスピリン)であり,1899年に販売が開始された。

注4)  第1世代は数が多いとはいえ,低分子医薬品の「市販」数に比べれば非常に少ない。例えば,低分子医薬品の「市販」数は,米国が4,493,日本が2,691である(前報参照)。

注5)  抗体の一部分を取り除くことで,抗体のADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity:抗体依存性細胞傷害)機能を向上させる技術。従来の抗体に比べ100倍以上高い抗腫瘍効果を発揮できるといわれている。http://www.kyowa-kirin.co.jp/antibody/kyowakirin_antibody/enhanced_ab.html

注6)  抗体が繰り返し作用すること(リサイクリング抗体)及び抗体が疾病の原因物質を血液中から除去すること(スイーピング抗体)を可能にし,従来では狙うことができなかった製品プロファイルを達成する技術。http://www.chugai-pharm.co.jp/html/meeting/pdf/121218jPresentation.pdf

注7)  世界80か国以上から収集された約70,000の出願情報を有する特許データベース。http://www.epo.org/searching/subscription/patstat-online.html

参考文献
 
© 2013 Japan Science and Technology Agency
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