情報管理
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リレーエッセー
つながれインフォプロ 第3回
リブヨ
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2013 年 56 巻 9 号 p. 640-642

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「リブヨ」は「図書館員のための関西のイベント情報」サイトである。私は2007年にブログを始め,以来6年間,情報の収集と発信を続けている。

仕事で気になることがあるとき,自分の未熟さを感じたとき,自分で本を読んだり調べたりもするが,どこかで勉強する機会がないかと思う。そんなとき情報はどこで得ているだろうか? 職場に案内が来る研修会は仕事だからこそ行けなかったり,外部の研究団体もよくわからなかったり,ネットで検索しても出てこなかったり…。かつての私はそうだった。その後徐々に情報を収集できるようになってきたときに,こういう情報が集まっているHPがあればいいのにと思い,いっそ自分で作ってみるか,と軽い気持ちで始めたのが「リブヨ・ブログ」である。

2007年8月にブログを始め,2008年6月にカレンダーとサイト紹介のHPを開設。その後,リンク集やGoogleカレンダーを作成,2009年12月からはTwitterを始め,現在まで続いている。

ちなみに「リブヨ」という名前は,覚えやすいように3~4文字で,のちのち検索にヒットするようにオリジナルでと考え,「Library」「予定表」を略して付けたものである。

図1 「リブヨ」のトップページ URL: http://libyo.web.fc2.com/

活動は個人的に仕事外の時間に行っていて,今でも試行錯誤している。ブログは当初,本の感想や日々の雑記もあったが,すぐに今のように情報のみになった。カレンダーを作ったのはイベントを開催日順に並べるためである。リンク集やGoogleカレンダーを始めたのは周囲の勧めで,特にGoogleカレンダーは自分自身が使っていないので実感がないが,「便利だ」との声をよくもらえる。最近では,記事のタイトルに年月日と府県名を付けたり,会場の場所や行き方がわかるようにすることにした。

なお,HTML等の専門知識はないのでホームページ・ビルダーを購入してHP作成に使っているが,その他はすべて無料のサービスを使っている。

図2  「リブヨ・ブログ」 URL: http://libyo.jugem.jp/

当初ブログにしたのは,簡単にでき,検索でヒットしやすいという理由からだったが,今まで続けてきて情報発信に非常に向いていると感じている。それは,個別のURLが付き参照しやすいこと,ケータイでも見られること(特に数年前の状況では重要),Twitterと連動する機能が付くなど自動的にバージョンアップすること,フォームに入力するだけで見映え良くできること,記事内を検索できることがあげられる。さらに公開しWebに置くことで,ネットにつなげればどこからでも書け,外部にデータが保存される(もちろんバックアップは必須)。そして何より反応が励みになるという利点があると思う。

情報収集の方法は,JLAメールマガジンなどの各種メールマガジン,Twitter,日本図書館研究会などのHPの巡回などである。リンク集は公開もしているので,基本的には誰でもできると思う。また,自分でイベントに行くと,違うイベントのチラシをもらえたり,次回から情報を知らせてもらえたりするので,情報収集の意味でも参加することは大切である。最近では,主催者の方から情報をいただくこともあり嬉しい限りである。

HPの更新の流れは,(1)情報を見つける,(2)Twitterでつぶやくかパソコンの「メモ帳」に貼り付けておく,(3)ブログを更新する,(4)カレンダーを更新する,が手順である。たまに(5)その他(リンク集など)の更新も行う。(2)が随時,(3)は週1~2回程度,(4)は月2~3回程度行っている。メインはブログで,HPはその補助手段として使っている。

6年間続けた結果,2013年9月末でのブログの記事数は1,266件になった(一部非公開記事あり)。新規記事は月平均約20件で,アクセス数は日に平均約600回である。

運営には以下の3点に気を付けている。

1点目は「コンスタントに,シンプルに」である。情報発信は,内容の信用度はもちろんだが,更新が滞るのが利用側として一番困ると思う。だから,コンスタントに更新すること,そのためにも仕組みやデザインはシンプルに,そして誰もがわかりやすい書き方を心がけている。

2点目は「網羅的に収集」である。「図書館員のための関西のイベント情報」というフィルターだけで,基本的には内容の判断はしていない。図書館員といっても,館種や立場や規模で関心も違うので,個人の好みで狭めないようにと考えるからである。情報を集約することが「リブヨ」の強みなのだろう。ただし,一般参加が可能なのか,図書館員というより本好きのためのイベントかという判断が難しく,悩むところである。

3点目は,「情報元のURLを記す」ことである。主催者が出している情報でしっかり確認してもらえるように,かつ図書館員として引用先を記しておきたいとの思いからである。また連絡先が個人の携帯電話の場合特に,ブログに書かずに情報元に誘導するように気を付けている。イベント主催者はぜひWeb上で情報を発信していただきたい。

活動を続けることで,自分自身がイベント情報に詳しくなり選んで行けるようになったし,情報収集の力が付いたと思う。幸いさほど無理せず続けているが,「リブヨ」という発信媒体がなければ,情報をまとめたりチェックし続けたりできたか自信がない。また,国立国会図書館「カレントアウェアネス-E」へのインタビュー掲載や,勉強会での活動の発表,そしてこうした雑誌掲載など,個人としての経験にもなっている。

当初は自分用のメモを公開しているだけだったが,徐々に多くの方に知ってもらえるようになったのはTwitterの影響も大きい。Twitter(@libyo)では,ブログの更新情報だけでなく,その他の気になる情報や考えたこともつぶやいている。その広がりとともに,図書館員同志のつながりも持てるようになり,「リブヨ」も知ってもらえるようになったと思う。もちろんSNS(Social Networking Service:Twitter,Facebook,mixiなど)を活用していない人もまだまだ多く,使い方に注意は必要だが,SNSはより気軽にコミュニケーションができ,つながりが強くなるという利点があると思う。

例えば,司書の仕事を4コママンガで描きブログで発信している「羊図書館」http://hitsujitoshokan.blog.fc2.com/(3)では,初対面でマンガにしてもらい,さらに今回似顔絵を描いていただいた。自分がマンガに登場するという楽しくも予想外なことが起こるのも,発信を続けていたからでありSNSがあったからだと思う。

他にも,イベントでお会いした縁から,仕事の相談にのってもらったり,図書館見学をさせてもらったりすることもある。

こうしたことが,仕事のモチベーションアップ,スキルアップにもつながっていると思う。それぞれの場所でがんばること,学んだことを活かすことはもちろんだが,視野を広く持つこと,違う人の意見を聞くことという点でも意味はある。さらに,困ったときに相談できる人がいること,離れた場所でがんばっている仲間がいることは大きな力となる。

図3 羊図書館『京都図書館情報学学習会第200回』に参加しました☆ URL: http://hitsujitoshokan.blog.fc2.com/blog-entry-62.html

以上,「リブヨ」での情報の収集と発信を振り返ってみたが,日ごろはさほど意識せず趣味のように続けている。これからも少しずつ工夫したり,おもしろそうなことは取り入れたりして,マイペースにできる限りは続けていきたい。

イベント情報を発信することで図書館員の自主学習を応援し,図書館員が元気になり,図書館がより良くなるようにと願っている。

執筆者略歴

リブヨ(りぶよ)

関西の図書館員。匿名希望。好き:本・音楽・外へ出ること。似顔絵は,ブログ「羊図書館」の水知せりさんに描いていただきました。

 
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