日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
大腿骨頸部骨折を契機に骨軟化症と診断されたステロイド投与歴のない小腸型クローン病の1例
大倉 絵里華中野 雅加藤 裕佳子常松 令芹澤 宏渡辺 憲明熊谷 直樹土本 寛二矢島 知治日比 紀文
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キーワード: クローン病, 骨軟化症
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2012 年 109 巻 12 号 p. 2082-2087

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抄録

症例は35歳男性.28歳時に回腸穿孔に対する回盲部切除時に小腸型クローン病と診断された.内科的治療にて経過観察中,右上半身・左下肢の痛みを自覚,精査にて全身に多発骨折を認めた.経過中にステロイドの使用歴はなく,原因はVit. Dの欠乏による骨軟化症と考えられた.回腸病変を有する小腸型クローン病においてはVit. Dの欠乏による骨軟化症の合併を念頭に置くべきと考えられた.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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