日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胃粘膜下腫瘍との鑑別にセルブロック法を用いた超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診が有用であった肝細胞癌の1例
木田 明彦松田 耕一郎平井 聡島谷 明義堀田 洋介平松 活志松田 充荻野 英朗清水 康一石澤 伸野田 八嗣
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2012 年 109 巻 6 号 p. 952-960

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抄録

慢性B型肝炎の59歳男性において,胃粘膜下腫瘍(胃SMT)と肝左葉腫瘍との鑑別を要する病変が発見された.超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)では,胃に接した肝左葉外側区由来のhaloをともなうモザイクパターンを呈する腫瘍で,セルブロック法を用いた病理組織学的検討で肝細胞癌(HCC)と診断し得た.検査後の合併症はなく,胃SMTと鑑別を要するHCCにおいては,本法は試みる価値があると思われた.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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