日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
難治性腹水,下痢を初発症状として発症した門脈圧亢進症合併脾動静脈瘻の1例
日野 直之松崎 寿久小松 直広秋山 祖久小澤 栄介三馬 聡竹下 茂之大谷 正史宮明 寿光田浦 直太山口 直之大仁田 賢市川 辰樹磯本 一竹島 史直中尾 一彦
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2013 年 110 巻 6 号 p. 1038-1043

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抄録

症例は55歳女性.難治性腹水・下痢など多彩な臨床症状を呈し,血液検査で肝機能障害,耐糖能異常を認めた.腹部造影CTで腹腔動脈~脾動脈,脾静脈~門脈の著明な拡張と,脾動脈末梢から脾静脈への短絡路を認めたことから,脾動静脈瘻による門脈圧亢進症と診断した.IVRにより経動脈的,経門脈的に短絡路を塞栓し,門脈圧の低下が得られると症状は著明に改善した.脾動静脈瘻はまれな疾患であり,貴重な症例と考え報告する.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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