日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
インフリキシマブが原因と考えられた急性肝障害の1例
新井 修大元 謙治能登原 憲司柴田 憲邦久保木 眞池田 弘
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 110 巻 1 号 p. 104-111

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抄録

症例は不全型ベーチェット病の50歳女性.進行性視力障害に対しインフリキシマブ(IFX)を投与したが,投与後14週より肝機能障害が出現した.薬物性肝障害を疑い休薬の上,肝庇護療法を行ったが肝機能はさらに増悪した.肝生検では門脈周囲炎と中心静脈周囲炎を示す急性肝炎像で,ステロイド治療が奏効した.自己免疫性肝炎発症素因を有する女性例にIFX投与を行う場合,慎重な肝機能のモニタリングが必要である.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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