日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:PBC診療の最前線
UDCA不応例の対策
田中 篤
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 110 巻 1 号 p. 16-21

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抄録

PBCに対する第1選択薬はウルソデオキシコール酸(UDCA)であるが,常用量である600mg/日投与では効果不良と判断される症例が存在する.2012年,筆者らが行ったアンケートによれば,本邦では治療開始後概ね3~6カ月で効果判定が行われ,UDCAの900mgへの増量,ないしベザフィブラート追加投与が選択されている.しかしUDCAの至適投与量は13~15mg/kgであり,効果不良例では900mg/日への増量を検討すべきである.ベザフィブラートの生化学的改善効果は高いが,今後PBCに対する長期予後改善効果を検証する大規模臨床試験が必要である.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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