2013 年 110 巻 5 号 p. 788-795
医学の進歩,医療を取り巻く環境の変化はめざましい.卒前医学教育カリキュラムは大きく変わり,卒後初期研修制度の改変も行われた.それにともない,現在専門医の在り方が問われ,専門医制度が論議されている.日本消化器病学会は,これらの時代の要請に対応すべく,専門医研修カリキュラムの改訂を企画した.現行の研修カリキュラムは知識やスキルに偏重し,かつ研修項目の羅列である.患者―医師コミュニケーションやチーム医療など,新しい医学・医療への対応が取り上げられていない.改訂案は,消化器病専門医としてあるべき姿を示し,日本内科学会の新研修カリキュラムをベースに,コンピテンスに基づいた学習理論に則り作成されている.