2012 年 53 巻 12 号 p. 2013-2017
POEMS症候群の多くの症例は骨硬化性形質細胞腫を合併している。病変が限局域の症例は放射線療法が有用だが,広汎病変の症例では化学療法が必要となる。それ故,病変の広がりの評価は治療戦略の決定に重要である。
我々は,POEMS症候群の2症例において18F-FDG PET/CT検査を用いて病勢の評価を行った。1例目ではPET/CT検査により単純X線写真やガリウムシンチで検出できなかった病変が明らかになった。また残存病変や再発の検出に有効であった。2例目ではPET/CT検査によりリンパ節病変の存在を疑われ,その後の生検にて形質細胞腫を確認することができた。本例の髄外病変は骨髄腫と同様にFDGの取り込みが強かったが,骨病変はCT検査でのみ検出することができた。
POEMS症候群において,PET検査とCT検査は相互補完的であり,これらを組み合わせたPET/CT検査は病変評価に非常に有用と考えられる。