臨床血液
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臨床研究
キャリブレーターによる国際標準値変換を可能とするMajor BCR-ABL mRNA測定キットの臨床性能評価
宮村 耕一岡本 真一郎薄井 紀子日野 雅之赤司 浩一中世古 知昭高橋 直人中谷 中高橋 啓太登 勉直江 知樹
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ジャーナル 認証あり

2014 年 55 巻 5 号 p. 534-540

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抄録

RT-qPCRを測定原理とし,キット内に包含されたWHO国際標準品に基づくキャリブレーターを用いて国際標準値(International Scale, IS)へ変換を行うMajor BCR-ABL mRNA/ABL mRNA比測定キット(M135R)の多施設臨床性能評価を実施した。その結果,M135RとConversion Factorを用いてISへ変換するHome-brew法との間には良好な相関関係が得られたが(r=0.90 (n=115)), M135RとAmp-CML法との間の相関係数はr=0.56 (n=108)であった。また,同一検体を対象に2施設で測定されたM135RのIS間の相関係数は極めて良好であり(r=0.94 (n=115)), ISとして1.0%以下の検体を抽出した解析においても,その関係は維持されていることが示された(r=0.98)。以上から,M135Rは安定して国際標準値に換算された結果を与えるとともに,測定感度も高く,施設間差の少ない結果を与える測定系であることが示された。本キットはCML患者の治療効果判定や再発の兆候を見出す上で,有用な検査ツールとなることが期待される。

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© 2014 一般社団法人 日本血液学会
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