食品衛生学雑誌
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茶の加工工程および熱湯浸出時における農薬の消長
近藤 貴英渡邊 綾香設樂 紘史蕪木 康郎柴田 雅久神田 典子黒川 千恵子井上 豊宮崎 元伸外側 正之小澤 朗人内山 徹小泉 豊中村 順行増田 修一米谷 民雄
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2013 年 54 巻 4 号 p. 259-265

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抄録

3種の殺虫剤クロルフェナピル,ピリミホスメチルおよびクロチアニジンをチャに散布して被覆下で栽培し,摘採後の茶の加工工程および熱湯浸出時における農薬の消長を調査した.生茶葉に加熱や発酵などの加工工程が入ることで,加工茶における農薬残存率は減少したが,加熱時間や発酵時間が長く,熱が茶葉へ伝わりやすいほど減少した.また,普通煎茶において3農薬の農薬残存率に有意差は認められなかったが,ネオニコチノイド系のクロチアニジンのように,オクタノール/水分配係数が低く水溶性の高い農薬ほど,茶浸出液への移行率が高くなる傾向が見られた.一方,粒度による農薬移行率に有意な差は認められなかった.

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© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
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