日本海水学会誌
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ラビリンチュラの経口投与によるキンギョの体色改善
豊澤 里早高島 聖和村上 徹山岡 到保角田 出
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2007 年 61 巻 4 号 p. 235-240

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抄録

遊離型アスタキサンチン (As) とラビリンチュラ (LB) Thraustochytrium sp. CHN-1が、キンギョ (朱文金) の体色改善に及ぼす影響を調べた。Asの経口投与 (1.6または16mg/kg体重/日) は有意な体色改善効果を示さなかった。LBの経口投与 (160mg/kg体重/日: As量に換算して0.05mg/kg体重/日) は、数週間以内に著しい体色改善効果を示した。LBの投与は、体表の赤色部分において赤色素細胞数の増加をもたらした。
以上の結果は、キンギョの体色改善 (赤色部分の鮮明化) にLBの経口投与が極めて有効であることを示すと共に、LBの体色改善効果が、既存の赤色素細胞におけるAs蓄積量を増加させることに加えて、赤色素細胞数の増加を促すことにより生じている可能性を示唆する。

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