AUDIOLOGY JAPAN
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語音聴取評価検査「CI-2004 (試案)」を用いた人工内耳装用者の聴取能
射場 恵熊谷 文愛熊川 孝三鈴木 久美子武田 英彦
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2011 年 54 巻 4 号 p. 277-284

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抄録

語音聴取評価検査「CI-2004 (試案)」は, 人工内耳単独の聴取能を評価することを目的として日本人工内耳研究会によって開発された。当科で人工内耳埋め込み術を受けた人工内耳装用者50例を対象に音入れ後6ヶ月目にこの評価を行い, 臨床上の有用性について検討した。各検査における平均正答率は, 子音検査54%, 単音節検査51%, 単語検査63%, 雑音負荷時の単語検査43%, 日常会話文検査78%, 雑音負荷時の日常会話文検査56%であり, 諸外国で同様に録音素材の文を用いて報告された人工内耳装用者の聴取能とほぼ同等の成績であった。しかしながら聴取能には個人差が大きく, 人工内耳を日常生活で活用するためには個々に応じた聴覚リハビリテーションプログラムの作成が必要と考え, 各症例の聴取特徴を分類した。このパターン化により, 各症例に応じた聴能訓練および装用指導を行うための有用な情報が得られた。

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© 2011 日本聴覚医学会
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