分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
カテコールアミンの高選択的高感度定量法の開発と応用
角田 誠今井 一洋
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2003 年 52 巻 12 号 p. 1081-1089

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抄録

高速液体クロマトグラフィー-過シュウ酸エステル化学発光検出法を用いたカテコールアミン(及びそれらの3-O-メチル代謝物)の高選択的かつ高感度分析法の開発について概説した.前処理カラムとして陽イオン交換カラムを用いたカラムスイッチング法とカテコール環にのみ選択的に反応するエチレンジアミンとの蛍光誘導体化を行うことにより,カテコールアミンの選択的な検出を可能にした.過シュウ酸エステル化学発光検出法を用いているために,従来の電気化学検出法や蛍光検出法に比べて高感度化が達成された.分析法のセミミクロ化を行うことにより,更なる高感度化が達成され,ラット及びマウス血しょう10 μlでの分析が可能となった.これらの分析法を応用することにより,血圧調節における交感神経系の役割,カテコールアミンのメチル化代謝について新たな知見を得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2003
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