日本畜産学会報
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一般論文
哺乳期におけるエネルギーおよびタンパク質給与量の制限がブタの筋肉内脂肪蓄積に及ぼす影響
芦原 茜吉岡 豪今枝 紀明八代田 真人大谷 滋
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2007 年 78 巻 4 号 p. 435-440

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抄録

哺乳期のエネルギーおよびタンパク質の給与量制限が出荷時のブタの筋肉内脂肪蓄積に及ぼす影響について調査した.3日齢から28日齢の哺乳期間中,雌子豚8頭を,養分要求量を満たす量を給与する区(対照区)とエネルギーとタンパク質摂取量を対照区の50%給与する区(低栄養区)の2区に分け哺乳した.離乳後は,体重115 kg到達時に屠畜するまで,両区とも同条件で飼養した.低栄養区の飼料摂取量および増体量は対照区と比べ処理中では約1/2であったが,処理後はほぼ等しい値であった.また,低栄養区の筋線維断面積および筋肉重量は対照区よりも低い値であった(P<0.05).低栄養区の筋肉内脂肪含量およびI型コラーゲン含量は,対照区よりも高い値であった(P<0.05).以上から,哺乳期にエネルギーおよびタンパク質摂取量が不足すると,筋肉重量の低下とコラーゲン含量の上昇が生じ,筋肉内脂肪含量が高くなることが示された.

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© 2007 公益社団法人 日本畜産学会
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