日本畜産学会報
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一般論文
養豚農場における液状ホエーの給与がブタの生産性へ与える影響
小橋 有里石黒 智子若松 純一奥村 朋之高萩 陽一岩渕 修飯村 裕二川島 知之小林 泰男服部 昭仁村上 博森松 文毅
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2009 年 80 巻 4 号 p. 443-450

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抄録

乳業工場から排出された液状ホエーを通常飼料に付加的に給与し,豚肉生産試験を行った.9腹の離乳豚66頭を通常飼料のみで飼育した対照区(CN区)と通常飼料に液状ホエーを付加的に給与したホエー区(Whey区)に母豚効果を配慮して分けた.Whey区には試験期間を通して267 L/頭の液状ホエーを給与した.両区は経時的に体重測定を行い,出荷直前に採血をして自然免疫の状態を比較した.平均体重は65日齢と173日齢でWhey区の方が有意に高かった(P < 0.05).日増体量はWhey区の方が生後29-65日の期間(P < 0.01)と105-173日の期間(P < 0.05)で有意に高かった.また,枝肉成績およびロース肉の理化学的特性はWhey区とCN区とで有意差は認められず,自然免疫状態についても有意差がなかった.以上の結果から,液状ホエー給与は枝肉成績および肉質に影響を与えることなくブタの出荷日齢を短縮する傾向にあり,生産性向上に有効であることが示された.

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© 2009 公益社団法人 日本畜産学会
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