臨床神経学
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短報
1型糖尿病妊婦に出現し,分娩とステロイドパルス療法を機に改善した再発性多発脳神経麻痺
新堂 晃大谷口 彰中野 知沙子佐々木 良元杉山 隆葛原 茂樹
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2008 年 48 巻 8 号 p. 579-582

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抄録

妊娠にともなって出現し分娩後に寛解したまれな多発脳神経麻痺例を報告した.症例は28歳女性である.8歳からI型糖尿病の治療中.妊娠4カ月に左動眼神経麻痺をみとめ,約1カ月で改善した.妊娠8カ月頃に左顔面のしびれ感が出現ししびれは右側へと移行した.その後に構音障害と嚥下障害が出現した.右三叉神経領域の感覚低下,軟口蓋の挙上不良,舌に萎縮と線維束攣縮をみとめた.髄液検査と頭部MRIは正常.分娩後に症状は徐々に軽快し,ステロイドパルス療法でさらに改善した.原因は特定できなかった.

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© 2008 日本神経学会
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