2008 年 48 巻 9 号 p. 651-655
症例は23歳の女性である.18歳時に高CK血症(最高値:9,620IU/l)を指摘され,筋CTでは大臀筋,大腿二頭筋,腓腹筋内側頭の筋脂肪置換をみとめた.筋脂肪置換の程度は腓腹筋内側頭がもっともいちじるしく,左上腕二頭筋生検では筋線維の大小不同,軽度の壊死・再生線維をみとめたが,炎症細胞浸潤,rimmed vacuoleはみとめなかった.臨床的には三好型ミオパチーがうたがわれたが,遺伝子診断でカルパイン3遺伝子異常をみとめ,肢帯型筋ジストロフィー2A型と診断した.臨床的に三好型ミオパチーと考えられる症例の中にカルパイン3遺伝子異常による症例もあり,鑑別診断の1つとして考える必要がある.