予後が不良であった成人の細菌性髄膜炎の臨床的特徴を明らかにする目的で,当科で経験した細菌性髄膜炎27症例について後方視的な検討をおこなった.退院時の重症度をGlasgow outcome scale(GOS)にて評価し,予後不良群(GOS=1~4,15名)と予後良好群(GOS=5,12名)を比較した.予後不良群では,入院時の意識障害が高度で,脳浮腫,痙攣発作,脳出血,肺炎の合併頻度が有意に高かった.死亡例の解析では,臨床的特徴は予後不良群と同様であったが,髄液蛋白高値,糖低値が顕著であった.肺炎球菌感染症例も予後が不良であった.今後,多数例での前方視的研究が必要である.