臨床神経学
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短報
肺扁平上皮癌に合併した抗P/Q型voltage-gated calcium channel抗体陽性のLambert-Eaton症候群の1例
片田 栄一中村 友彦渡邊 宏久松川 則之小鹿 幸生祖父江 元
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2010 年 50 巻 1 号 p. 17-19

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抄録

症例は64歳,男性である.61歳時に肺癌のために右上葉を切除した(病理組織診断は中分化型扁平上皮癌).その約1年後に縦隔リンパ節転移をみとめ,5-FUの内服を開始した.8カ月後に左前頭部に脳転移巣がみられたが放射線治療により縮小した.5-FU内服開始1年後に易疲労感,口渇,歩行障害が出現し,下肢近位筋に優位な筋力低下,深部反射の消失,自律神経症状などの神経症状,反復刺激試験異常と抗P/Q型voltage-gated calcium channel 抗体陽性からLambert-Eaton症候群と診断した.3,4-ジアミノピリジンにより下肢筋力と歩行は著明に改善した.

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© 2010 日本神経学会
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