臨床神経学
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短報
皮膚生検で早期に診断しえた側頭極病変に乏しいCADASILの1例
今野 卓哉梅田 麻衣子梅田 能生野崎 洋明小宅 睦郎藤田 信也
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2011 年 51 巻 10 号 p. 770-773

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抄録

症例は40歳男性である.脳血管障害の危険因子がないものの,1年間に5回の脳虚血発作をきたし,頭部MRIで小血管病を示唆する多発性の病変をみとめた.家族歴からCADASILをうたがったが,特徴的とされる側頭極の白質病変に乏しかった.皮膚生検で電子顕微鏡下に血管平滑筋の基底膜にGOMの沈着をみとめ,CADASILと診断した.皮膚生検は遺伝子診断に比して簡便に施行可能であり,画像上の非定型例を診断する上でとくに有用である.

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© 2011 日本神経学会
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