日本薬理学雑誌
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実験技術
Yeast Two-Hybrid法によるイオンチャネルの細胞内調節因子の同定法
安西 尚彦宮崎 博喜坂本 信一
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2003 年 122 巻 4 号 p. 331-337

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抄録

イオンチャネルを含む多くの膜タンパク質は生体内で他のタンパク質と恒常的ないし一過性に会合しており,タンパク質機能に必須の複合体を形成し,その機能制御に関与すると言われている.細胞内でタンパク質を発現させ相互作用を解析する場合,その相互作用がどのように起きたかを検出することは非常に重要である.酵母ツーハイブリッド法はタンパク質間相互作用を検出する代表的な実験法であり,タンパク質の精製をせずに2遺伝子産物間の相互作用がわかり,その検出にin vitroの系ではなく,細胞(核)内で相互作用を測定できる利点を持つ.ポストゲノム時代を迎えた現在においても,酵母ツーハイブリッド法は,種々のタンパク質の機能解析において重要な役割を果たすと考えられる.本稿では酵母ツーハイブリッド法の対象とするのに従来困難と考えられてきた,膜タンパク質の一つであるイオンチャネルを用いたスクリーニングをテーマに,我々の教室での自験例を交えつつ解説する.

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© 2003 公益社団法人 日本薬理学会
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