日本薬理学雑誌
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実験技術
細胞死におけるミトコンドリアPermeability Transition Pore(PTP)の役割に関する研究法
石田 英之
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2004 年 123 巻 5 号 p. 329-334

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抄録

細胞死にはネクローシスとアポトーシスがあり,両者ともミトコンドリアによってその運命が制御されている.とくにミトコンドリアPermeability Transition Pore(PTP)の開口は,チトクロムCの遊離を起こしてアポトーシスを誘導することはよく知られている.また,ミトコンドリアPTP開口阻害薬であるシクロスポリンA(CsA)が虚血再灌流障害によるネクローシスを抑制するとの報告もある.このように,ミトコンドリアPTPは,細胞の生死を調節する重要な因子であるが,その詳細は充分解明されていない.ここでは,ミトコンドリアPTPに関する最新の研究方法と心筋細胞死におけるミトコンドリアPTPの役割に関する検討を例にして,実験法を紹介する.

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© 2004 公益社団法人 日本薬理学会
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