日本薬理学雑誌
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治療薬シリーズ (3) 高血圧症
高血圧症に対する薬物療法の現状とこれから
小池 城司
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キーワード: 高血圧症, 降圧薬, JSH2004
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2006 年 127 巻 5 号 p. 393-398

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抄録

わが国では4人に1人が高血圧症であると言われ,心血管病の予防の面からもその治療は重要である.高血圧症は生活習慣病の代表的なものの1つで,食塩摂取などの食事や肥満などの生活習慣を是正すれば高血圧症患者のかなりの割合は降圧薬を使用しなくても血圧のコントロールが可能と思われる.しかしながら,現実には生活習慣の是正による血圧コントロールは困難であり,降圧薬による高血圧症の治療が必要となる.現在わが国で使用されている主な降圧薬は,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB),利尿薬,β遮断薬,α遮断薬であり,それぞれの薬剤において多くのエビデンスが蓄積されてきた.それらを基にわが国ではJSH2004が発表され,それに準拠したそれら降圧薬の使用が推奨されている.本稿ではわが国における高血圧症に対する薬物療法の現状と今後についてまとめてみた.

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