日本薬理学雑誌
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治療薬シリーズ(14)高脂血症
高脂血症治療薬の基礎
―基礎:高脂血症治療薬の研究開発―
谷本 達夫
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キーワード: LDL, HDL, TG
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2007 年 129 巻 4 号 p. 267-270

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抄録

高脂血症,特に高コレステロール血症ははすでにスタチンの登場によりかなり医療満足度の高い領域になった感がある.しかしながら,多くの大規模臨床試験の結果からLDL-コレステロールをより下げることが冠動脈疾患の予防に繋がること(the lower the better)から,高脂血症ガイドラインもより低く再設定された.スタチンだけでは目標のLDL-Cに到達できない患者も多く,さらなる併用可能なLDL-コレステロール低下剤が求められるようになって来た.また,トリグリセリドの低下剤やHDL-コレステロールの上昇薬のニーズもある.最近の薬剤の開発状況を見るとCETP阻害薬,MTP阻害薬,SQS阻害薬,HM74aアゴニスト,Lp-PLA2阻害薬など様々な新規ターゲットを狙った薬剤が開発されており,数年~10年後にはいろいろなタイプの薬剤がラインアップされ,単独のみならず多様な組み合わせの併用によりさらに医療満足度が上がることが予想される.

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