2008 年 114 巻 4 号 p. 187-199
東京低地の地下には,最終氷期最盛期までに形成された開析谷とそれらを充填する沖積層が分布している.本研究では,東京低地北部のボーリング柱状図を用いて,沖積層のN値と岩相の3次元分布モデルの構築方法を検討し,構築したモデルの分布から,堆積システムを特徴付ける堆積物の空間的な分布を明らかにした.3次元分布モデルは,不規則に分布するボーリング柱状図の情報を2次元平面上で補間し,補間により作成された等間隔なデータセットを深度方向に積み重ねることで構築した.N値と岩相の3次元分布モデルは,蛇行河川システムの河川チャネル堆積物と氾濫原堆積物,砂嘴堆積物,海進期の砂州堆積物といった堆積体の分布を示している.