砂栽培システムによるトマト生産において,砂培地に混和する資材が培地特性や果実生産に及ぼす影響を調査した.ゼオライトを混和すると,培地が乾燥しやすくなり,ナトリウム含量が高まった.また培地のECおよび硝酸態窒素含量は栽培期間中低く抑えられた.ゼオライト混和培地で植物の生育や収量は低下したが,果実糖度は上昇した.活性炭を砂培地に混和すると,植物の初期生育が抑制され果実品質が低下したが,一果重は上昇した.土壌を混和した培地では,果実収量は低下せず,果実糖度が上昇した.ヤシ殻繊維を混和することで,砂培地の軽量化,保水性の向上など培地特性の改善が見られ,植物の初期生育および果実の初期収量が上昇したが,茎葉部との水分競合により可販果率は低下した.このことから砂栽培の混和資材として,ヤシ殻繊維の有用性については,今後,灌水方法を変えてさらに検討する必要があると思われた.