日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
原著
葉間浸潤を伴う非小細胞肺癌の検討
仲田 庄志杉尾 賢二宗 哲哉市来 嘉伸小野 憲司安田 学菅谷 将一竹之山 光広花桐 武志安元 公正
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 21 巻 6 号 p. 784-787

詳細
抄録

肺癌取り扱い規約上,葉間p3肺癌はT2に分類され,葉間p3を除くp3肺癌はT3に分類される.葉間p3に対する現分類の妥当性および浸潤肺葉の切除術式,予後,再発につき検討した.1992年1月から2001年12月までに完全切除を行った原発性非小細胞肺癌634例中,葉間p3群20例,葉間p3を除くT2群182例,T3群61例を対象とした.5年生存率は,葉間p3群62.5%,葉間p3を除くT2群48.5%,T3群28.7%であった.葉間p3群の治療成績は葉間p3を除くT2群と差がなく,T3群よりも有意に予後良好であった(p<0.05).さらに,浸潤肺葉の切除術式で局所再発率および予後に差は認めなかった.以上より,葉間p3をT2に分類することは妥当であり,浸潤肺葉に対する術式は部分切除が受容できる術式と思われた.

著者関連情報
© 2007 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top