日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
長期間経過観察されていた先天性気管支閉鎖症の一手術例
山口 学古川 欣也石田 順造岩屋 啓一洪 建偉斉藤 誠
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2009 年 23 巻 4 号 p. 613-616

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抄録

背景:気管支閉鎖症は稀な先天性疾患であるが,近年の画像診断技術の向上に伴い報告が増加しつつある.症例:47才女性.健診にて左上肺野の腫瘍様陰影を指摘され,当院紹介受診となった.詳細は不明だが19歳時より同部に異常を指摘されていた.気管支内視鏡で左上区支を認めず,胸部CTでは左上区域の透過性亢進および左上区支のソーセージ状腫大を認め,また胸部3D CTでは左上区支の欠損を認めた.以上より左上区域気管支閉鎖症と診断した.左上肺野の腫瘤陰影は数年前より緩徐な増大傾向があるため,感染を疑い左上葉切除術を施行した.切除検体では上区域支は索状となり左上葉支と繋がっていたが内腔の交通は認めず,末梢側気管支は嚢状に拡張し粘液貯留を認めたが,細菌は検出されなかった.結論:長期間経過観察されていた気管支閉鎖症の1切除例を経験した.

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