日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
空洞形成を伴う孤立性病変を呈した卵巣癌肺転移の1例
砥石 政幸近藤 竜一矢満田 健
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キーワード: 転移性肺腫瘍, 卵巣癌, 空洞
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2011 年 25 巻 7 号 p. 761-766

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抄録

症例は70歳,女性.1996年12月,左卵巣癌の診断で子宮全摘術および両側付属器切除術を施行し,病理組織診断は粘液性嚢胞腺癌,p-stage IIIcであった.1999年7月,術後肝転移の診断で化学療法を施行しCRを得た.さらに2003年2月,癌性腹膜炎の診断で再度化学療法を施行してCRとなり,以降再発なく外来経過観察中であった.2009年10月,胸部CTで右S3aに空洞形成を伴う15mm大の病変を指摘され精査を行い,原発性肺癌の診断で2010年1月,右上葉切除術を施行した.病理組織学的には低分化な腺癌で,摘出卵巣癌と同様の組織像であり卵巣癌の肺転移と診断された.今回検索し得た範囲で空洞形成を伴う卵巣癌肺転移の報告は1例しかなく,稀な症例と考えられたため報告する.

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