日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
全国死亡例調査による本邦の胸膜中皮腫に対する外科療法
西 英行間野 正之清水 信義
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2012 年 26 巻 2 号 p. 125-130

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抄録

【目的】これまでに我々は,本邦における胸膜中皮腫に対する外科治療の現状を報告してきたが,さらに追加,検討したので報告する.【対象】2003~2007年までの5年間の中皮腫による死亡4860例のうち病理学的な診断が行われていた症例は805例であり,このうちの胸膜中皮腫679例を対象として,手術が行われた131例について検討した.【結果】男性122例,女性9例で診断時平均年齢は62歳.組織型は,上皮型64例,二相型31例,肉腫型24例であった.病期は,I ・ II 期33例,III 期62例,IV 期13例であった.術式は胸膜肺全摘術が89例,胸膜切除・剥皮術が6例,腫瘍切除が36例に行われていた.補助療法は63例に行われていた.手術症例の生存期間中央値は12.0ヵ月であった.Cox回帰による多変量解析では,年齢,組織型,補助療法が予後因子であった.【結論】補助療法の有効性が示唆された.

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