Journal of Computer Chemistry, Japan
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研究論文
浮遊粒子状物質の可視化:画像的アプローチ
青山 智夫神部 順子長嶋 雲兵中山 榮子
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2009 年 8 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

黄砂,ヘイズは大気中の浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter, SPM)が起こす現象である.我々はそのときのSPM濃度分布を調査した.その結果SPM濃度分布にメソ構造が存在すること,その構造が黄砂現象と大気境界面で違うことを示した.
メソ構造の詳細を見るため,デジタル一眼レフカメラを用いるSPM可視化の方法を考案した.その方法で明らかになった黄砂現象の特徴は,
1. 分布形状は不定形で高濃度の中心部と周辺部がある.雲の生成を伴うこと,
2. 随伴雲の位置から判断すると黄砂の上限高度は約600mであること,
3. 海に沈降する黄砂は,本体とヘイズ部の二層構造を成していること,
である.同法をヘイズに適用して,
1. 大気の中の微細な流れをSPMの散乱光は明らかにし,大気流動のトレーサになること,
2. SPM粒子散乱光のRGB分解画像から大気の立体構造が定性的に分かること
が明らかになった.

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© 2009 日本コンピュータ化学会
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