Journal of Computer Chemistry, Japan
Online ISSN : 1347-3824
Print ISSN : 1347-1767
ISSN-L : 1347-1767
技術論文
リアルタイム三次元可視化分子動力学シミュレータMolecula Numericaの開発
阿部 博史長嶋 雲兵
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 8 巻 1 号 p. 51-58

詳細
抄録

リアルタイム三次元可視化分子動力学シミュレータMolecula Numericaを開発した.高性能パーソナルコンピュータをプラットフォームと想定し,その計算能力および三次元表示能力を活かした, MacOS X,Windowsなどで動作するマルチOSのソフトウェアである.通常の単原子モデルに,リジッド分子モデルを備えており,並進運動と回転運動の両方を扱える.回転運動には四元数表記方程式系を用いた.また,ソフトウェアはC++で開発されており,リジッド原子モデルに適した原子/分子クラスと,2体間相互作用をC++のTemplate機能を用いたダブルディスパッチ法を用いて実装し,原子/分子クラスと,相互作用の定義を分離させる事によって,新たに相互作用モデルを追加する際のプログラムの変更コストを低減させた.計算例として塩の結晶が水に溶け出す様子のシミュレーションを紹介した.本ソフトウェアのバイナリはMacOSXとWindows XP用が無償で提供されている.

著者関連情報
© 2009 日本コンピュータ化学会
前の記事
feedback
Top