日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
MRIで解析した坐骨·骨盤直腸窩痔瘻の進展のルール
加川 隆三郎野村 英明武田 亮二山本 道宏
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2008 年 61 巻 4 号 p. 151-160

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抄録

III型,IV型痔瘻の真の形態を追求するため,75例のMRI所見について検討,以下の進展のルールが得られた.(1)III, IV型痔瘻の端緒たる膿瘍は,後方の浅あるいは深外肛門括約筋内,または内外肛門括約筋間に存在する(75例).(2)IIIB型痔瘻は,後方の外肛門括約筋内で2方向に分岐し括約筋外にでる(15例).(3)IIIU型痔瘻は,5時,7時方向で括約筋外にでて前側方に2次口を形成するが(23例),(4)6時方向ででるものは,後方に2次口を形成する(16例).以上(1)∼(4)のルールは100%適合した.III型痔瘻のなかには,(5)瘻管の走行の途中で肛門挙筋下に枝をだし膿瘍を形成するもの(5例)や,(6)内外肛門括約筋間を前方に進み,前方で括約筋外にでるものがあった(6例).(7)IV型痔瘻は,内外肛門括約筋間を上行して挙筋上にいたるもの(6例),いったん直腸外に出てIII型痔瘻の形態を呈したのち肛門挙筋を穿破するもの(4例)の2つに分類された.

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© 2008 日本大腸肛門病学会

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