2010 年 63 巻 4 号 p. 228-234
傍ストーマヘルニアはストーマ造設にともなう比較的頻度の高い合併症で,腸閉塞や嵌頓などの合併症はもとより,管理困難にともなうストーマ保有者のQOL低下を引きおこす可能性があり,外科的治療が考慮される疾患である.これまで本疾患に対する治療法として筋膜縫縮術や再造設術が主に行われていたが,再発率や侵襲性の問題から,十分な結果が得られていなかった.近年,メッシュを用いた修復法の良好な治療成績が報告されているが,統一された術式がないのが現状である.
今回,我々は膀胱癌術後の傍尿路ストーマヘルニアに対するComposix® meshを用いた修復術後の再発ヘルニアに対してComponents separation法を用い再修復した症例を経験したので文献的考察を加え報告する.