2012 年 65 巻 1 号 p. 5-9
目的:双孔式回腸ストーマ造設において高さと直立性を維持するための工夫を検討した.工夫:正円形を基本に(1)口側ストーマの尾側への傾斜を補正し直立かつ適正な高さをもったものにする(2)肛門側ストーマの高さを可及的低くするの2点である.方法:2005年1月より2008年6月までにこの手技により造設された双孔式回腸ストーマ26例を対象としretrospectiveに調査した.結果:造設目的はcovering stoma 18例,悪性疾患腸閉塞解除6例,diverting stoma 2例であった.口側ストーマの高さ(n=18)は19.3mm(5~32mm)でほぼ直立していたが若干の左右傾斜6例と尾側傾斜1例(尾側傾斜補正不足,左右傾斜と重複)を認めた.左右傾斜例の平均口側ストーマ高は24.2mmで傾斜のない症例より高かった.合併症は傍ストーマヘルニア2例,陥没/陥頓,ストーマ脱各1例で重度の皮膚障害は認めなかった.結語:われわれの工夫により,適切な高さで,尾側傾斜の少ない双孔式回腸ストーマ造設が可能である.