日本救急医学会雑誌
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症例報告
電撃性紫斑を呈した劇症型髄膜炎菌性敗血症の1例
横手 龍清水 敬樹田口 茂正勅使河原 勝伸速水 宏樹清田 和也
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2008 年 19 巻 10 号 p. 983-990

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抄録

本邦では稀な電撃性紫斑を合併した劇症型髄膜炎菌性敗血症の成人例を経験したので報告する。症例は50歳の女性。突然の発熱,咽頭痛,両膝関節痛といった前駆症状に引き続いて播種性血管内凝固(DIC)及び広範電撃性紫斑を発症し,ショック,呼吸不全,腎不全に至った。血液培養からは髄膜炎菌が検出された。DIC,ショックに対する各種支持療法に反応して急性期を乗り切り,救命しえたものの,経過中に生じた広範囲の軟部組織壊死に対して,両下腿切断及び全手指切断術を余儀なくされた。集中治療の進歩によって,本症の救命率は劇的に向上した。また近年,本症の転帰のさらなる改善を期待した様々な治療法が提案されているが,その有効性を証明したものはない。現時点では,敗血症とDICに対する適切な支持療法を行うことが,本症に対する至適治療であると思われる。

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© 2008 日本救急医学会
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