日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
心臓原発血管筋脂肪腫の1切除例
川東 正英金 一野本 卓也新井 善雄中野 穣太松尾 武彦瀧本 真也曽我 欣冶羽生 道弥
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2009 年 38 巻 2 号 p. 142-145

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抄録

症例は34歳,女性.失神を契機に不整脈の精査目的に近医受診.経胸壁心エコー検査にて右房内に腫瘍を認めたため当院紹介となった.術前胸部CT検査にて右房内に約4×3cmの腫瘍を認め腫瘍摘出術を施行した.手術は人工心肺下に腫瘍摘出および心房中隔および左房壁欠損部の自己心膜による修復術を施行した.病理診断にて摘出された腫瘍は血管筋脂肪腫と診断された.血管筋脂肪腫は結節性硬化症に関連した腎臓に認められる良性腫瘍がよく知られているが,心臓原発の血管筋脂肪腫はこれまでにも数例の報告しかなく非常に稀な腫瘍であり報告する.なお,本症例では結節性硬化症との関連は認められなかった.

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© 2009 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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