日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
症例報告
術後乳糜胸の補助療法として胸水濾過濃縮再静注法が有効であった1例
澤田 吉英野村 幸哉吉井 康欣
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 38 巻 3 号 p. 205-207

詳細
抄録

胸水濾過濃縮再静注法が有効であった術後大量乳糜胸症例を経験した.症例は73歳,男性.遠位弓部大動脈瘤に対し下行大動脈人工血管置換術を施行した.第4病日に乳糜胸水を認めたため低脂肪食,中心静脈栄養への変更を行ったが改善しなかった.さらに絶食としオクトレオチドの投与を併用したが軽快しなかった.結局,胸管結紮術を施行し軽快したが,保存的療法中に胸水濾過濃縮再静注法を行い,患者の全身状態を良好に保つことができた.

著者関連情報
© 2009 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top