日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
バルサルバ洞より瘤状変化をきたした巨大冠動脈瘤を伴う右冠動脈右室瘻の1手術例
西木 菜苗高橋 章之土肥 正浩渡辺 太治坂井 修中島 昌道
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2011 年 40 巻 2 号 p. 58-61

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抄録

巨大動脈瘤を伴う冠動脈瘻の報告は稀であるが,特にバルサルバ洞より拡大している症例の報告は少ない.症例は64歳男性.無症状であり,腹部大動脈瘤の術前検査の際に,巨大冠動脈瘤を伴う右冠動脈右室瘻を指摘された.MDCTにて右冠動脈は起始部のバルサルバ洞から#2まで瘤化しており,最大径は50 mmであった.人工心肺下に冠動脈瘤切除術ならびに冠動脈瘻閉鎖術,バルサルバ洞形成術,大伏在静脈を用いた右冠動脈末梢へのバイパス術を行った.術後4年のフォローアップを行い,経過は良好である.巨大冠動脈瘤を伴う冠動脈瘻に対しバルサルバ洞形成を含む瘤切除術を行った報告は稀少であり,今回文献的考察を含めて報告する.

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