日本心臓血管外科学会雑誌
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原著
急性肺血栓塞栓症に対する外科的治療の検討
塩見 大輔高橋 亜弥垣 伸明木山 宏
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2012 年 41 巻 2 号 p. 58-62

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抄録

急性肺動脈血栓塞栓症(APTE)は急激な経過をたどる場合があり当院では積極的に外科的血栓摘除を行っている.対象症例は2004年1月から2010年12月までの15例であった.手術適応は,発症7日以内,循環動態不安定,造影CTで両側肺動脈閉塞または片側肺動脈閉塞とその中枢側浮遊血栓の存在,心臓超音波検査で右心負荷所見の存在,以上4点を満たした場合とした.術前PCPS(percutaneous cardiopulmonary support)挿入は1例,術前心肺蘇生は2例であった.手術は人工心肺補助心拍動下に行い病院死亡は敗血症1例,低酸素脳症1例,脳梗塞1例の計3例(20%)であり,術前心肺蘇生を要した2例は死亡した.術前より歩行不能であった1例を除き全例独歩退院した.平均経過観察期間は33±23カ月であり,退院後再塞栓や肺高血圧は認めていない.APTEは迅速な診断と心肺停止に陥る前に手術を行うことが肝要である.外科的血栓摘除は確立された術式であり周術期を乗り切れば良好なADLと予後が期待できる.

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