2010 年 46 巻 2 号 p. 95-101
本研究の目的は,アミラーゼ活性を用いたストレス度の測定により,企業の休息時間におけるヨーガ療法のストレス軽減効果を検討することである.個人差についても考慮するため,ストレスの高低によるヨーガ療法の実習効果の差異についても調査した.その結果,ヨーガ療法を実習した群の方が自由に休息していた群よりもストレス軽減効果が高いことが明らかになった.さらに,ストレスが高い人では,ヨーガ療法の実習効果が高いことも判明した.また,内省報告より,ヨーガ療法はヨーガの体験自体に集中することができるため仕事でのトラブルを忘れることができ,自己の身体の状態のみならず心の状態にも気づくことが可能であることがわかった.その結果,ヨーガ療法は心と身体の調和・統合を促すことができる可能性があることが示唆された.