てんかん研究
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原著
てんかんと誤診されていた失神10症例についての検討
渡邊 さつき田中 晋日野 慶子原 恵子渡辺 雅子
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2011 年 28 巻 3 号 p. 393-400

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抄録

てんかんと失神は一過性意識消失の原因として大きな割合を占める。両者の鑑別は重要であるが、てんかんと誤診されている失神の症例は未だに多く、誤診の原因について多数例で検討することが必要である。我々は当院のてんかん専門外来において、前医でてんかんと誤診されていた失神10症例について調査した。意識消失前に失神に多いとされる誘因があったのは9例、前駆症状を伴うものは7例であった。また、随伴症状としてけいれんなどの不随意運動が半数の5例で観察されており、失神に不随意運動を伴うconvulsive syncopeの存在が十分周知されていないことが示唆された。脳波は全ての症例で正常であったが、前医での脳波所見については十分な検討を行うことは出来なかった。誤診を少なくするには、誘因、前駆症状、随伴症状に着目した病歴聴取と、convulsive syncopeに留意することが重要であった。

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© 2011 日本てんかん学会
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