2012 年 29 巻 3 号 p. 482-489
驚愕てんかんは不意の音刺激などで誘発される反射てんかんであるが、発作のてんかん原性焦点や刺激で発作が誘発される機序などは解明されていない。MRI画像上、右前頭葉に髄鞘化遅延の所見を呈するが、脳波、SPECTでは局在性をみとめない驚愕てんかん症例に、発作時の光トポグラフィー検査を施行し、発作に一致して右前頭葉の運動前野の血液流量上昇がみられ、てんかん発作の病態に前頭葉とくに運動前野の関与が示唆された。てんかん発作時の局在性の血液流量評価における光トポグラフィーの有用性が示された。また、驚愕てんかん発作における前頭葉運動前野の関与が示唆され、驚愕てんかんの病態解明の一助になりえると考えた。