症例は54歳の男性で,平成18年4月,健診の上部消化管造影検査にて胃粘膜下腫瘍を指摘され,当院紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査にて胃角部大彎前壁に径30mmの粘膜下腫瘍を認めた.腹部CTにて同部に一致して,内部に変性または壊死性変化を伴う嚢胞性病変を認め,悪性病変の可能性を否定できず,8月に幽門側胃切除術を施行した.術中,腫瘤径45mmと増大傾向を認め,胃漿膜面への浸潤を示唆する所見を認めた.病理組織学的検査所見にてLanghans型巨細胞を伴う類上皮肉芽腫を認めたこと,術後施行した胃液抗酸菌培養検査にて結核菌培養陽性であったことより,胃結核と診断した.退院後,外来にて6か月間の抗結核化学療法を施行し,術後3年間無再発にて経過している.