頭頸部癌
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その他クリニカルパス
化学放射線療法を行う頭頸部がん患者を対象とするクリニカルパスを用いた疼痛管理法有効性/安全性評価試験
加藤 健吾松浦 一登全田 貞幹立花 弘之本間 明宏桐田 忠昭門田 伸也大田 洋二郎岩江 信法大鶴 洋秋元 哲夫田原 信浅井 昌大
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2011 年 37 巻 1 号 p. 153-157

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抄録

強度の強い化学放射線療法(CRT)を実現可能とし,高い完遂率を得るためには適切な支持療法が必須である。疼痛管理は頭頸部癌CRTの主要な支持療法の一つである。施設や医師に依らず一定の鎮痛効果が得られ,高いCRT完遂率を得る事を目的として,オピオイドを中心とした疼痛緩和プロトコルを作成した。10施設でこの疼痛緩和プロトコルを実施し,その有効性と安全性を評価した。対象は口腔咽頭に50Gy以上照射される部位を含み,白金製剤を中心としたレジメンによる同時併用CRT症例である。110例の症例集積を行い,内101例の適格症例を解析対象とした。Grade 3以上の粘膜炎の頻度は53%だったが,照射完遂率99%,照射休止率13%と極めて良好な結果が得られた。オピオイド使用率は83%,一日最大モルヒネ投与量の中央値は35mg,プロトコル遵守率は92%だった。オピオイドの投与中止を要した例やオピオイドの副作用による照射休止例はなく,安全性にも優れた方法と考えられた。

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© 2011 日本頭頸部癌学会
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